悪意あるカキコミをする男性

今なお絶えることのない悪質なカキコミ
その背景に、「匿名投稿だから」と安易かつ後先考えずに投稿をしている方もいらっしゃるようで、2020年に入ってからは著名人の自殺原因にもなったりして話題になっています。
法律の部分から見ても、現在は国会議員が法整備に意欲的になっており、法改正に期待が寄せられています。

今回は、紫苑が提携している法律事務所さんからのご紹介でいらっしゃった札幌市内の企業様からのご依頼。
悪質なカキコミをした男性の所在を探してほしいというご相談でした。

匿名投稿でもカキコミした人を特定できます

一昔前はインターネットに投稿した人間を特定することにハードルがあり、犯人の特定は難しいものと認知されておりましたが、プロバイダ責任制限法という法律が確立されてから、個人の方でも法に反するカキコミがあった場合には、容易にプロバイダやサイト管理者から発信者情報を開示できるようになりました。
発信者情報開示をして書き込みした相手を特定するまでに、わずか数週間もあれば可能で、悪質なカキコミであればあるほどその優先度は高いと言われています。

今回は、悪質なカキコミをした相手の氏名・住所等は判明したのですが、カキコミをしてから月日が経っており、発信者情報開示で開示された住所から転居されていて、住民票も新居に変え所在がわからないケースでした。

悪質な書き込みとは

「悪質なカキコミ」と近年さまざまなメディア等で言われておりますが、どのようなカキコミが該当するのかというと、基本的には、法律に抵触するものが該当します。

たとえば

ココのお店はオススメできません」は、個人的主観となるものをそのお店の営業を妨害しているため、刑法233条偽計業務妨害罪にあたり、民法でも不法行為(民法709条)にもとづく損害賠償請求が可能となる場合があります。
この場合、財産的損害は民法709条、財産以外の損害は民法710条にもとづく損害賠償請求となります。
万が一訴えを起こされ、「ほかの人も同様なことをカキコミしている!」と主張しても、訴えられているのは本人であり、同様のカキコミをしている他人は関係ありません。
また、カキコミした内容が真実であったとしても、そのカキコミが影響して著しく業績が落ちたという内容(たとえば、そのカキコミの内容を他の方が会社に問い合わせた回数が多い場合など)や、真実であってもその会社に対して営業を妨害するカキコミであった場合も、上記法律に抵触する可能性は極めて高いです。

昨今、このような案件のほとんどは訴訟前に示談で終わるケースが多く、会社に対して個人がカキコミした場合の示談金は、数十万円~数百万円とカキコミした方の経済的損害は非常に大きいものになります。
お店や会社、個人に対してでもそうですが、インターネットにカキコミをする前に「何のために情報を発信しなければいけないのか」「カキコミをした際に法律に抵触しないのか」と今一度考え行動することが大事です。

そもそも、法律に抵触する内容が掲載されている口コミサイトは、信用性のないずさんな管理をしている見ても意味のないサイトなのですが。

手がかりを基に調査を開始

企業様からの情報と発信者情報開示で得た情報を照らし合わせ、使える情報を抜粋し、「悪質なカキコミ」をした対象者の所在調査を開始。
調査開始から数日で対象者の住所が判明し、そこから現在の勤務先などを判明することに成功しています。

なぜ勤務先まで調べないといけないのか。
対象者の勤務先を調べることによって、提訴し勝訴した場合でも示談が成立した場合でも賠償金額が支払えなくなった場合、給与差押えに必要になるからです。
また、以後勤務先を変えられてもさまざまなことが判明する場合もありますからね。

このように、短期間で提訴まで踏み込める情報を調査することができました

ご依頼者様のその後

ご依頼者様は必要な情報をすべて揃えた状態で改めて弁護士に相談。
対象者から弁護士宛へ提訴前に示談の申し出があり、その後、無事成立したとお聞きしています。
現在は公正証書も作成し、たとえ損害賠償金額の未払いがあったとしてもすぐに財産差押えまでできるように手続き済みとのことでした。

当時対象者は、弁護士から通達があった時は動揺され、「私じゃない」と否認していたようですが、発信者情報開示で得た書面や弊社で得た調査報告を提示した結果、素直に事実を認めたそうです。

気になる賠償金額

この記事をご覧の皆様は、どのくらいの示談金額だったのか知りたいのでは。
今回の示談では、弁護士費用+弊社の調査費用+慰謝料など含め100万円を超えています。
もちろん、悪意あるカキコミの削除もすでに行われております。

対象者は、たった数分でアップロードしたカキコミに対して大金を支払わなければいけません。
この対象者も、一括にて支払えるような生活状況ではないとのことで、分割で支払う約束をされたそうですが、毎月支払日がくるたびに悔むことでしょう。

ご依頼者様自身の是正

このような事があり、悪意あるカキコミをした対象者が最も悪く慰謝料を支払わなければいけないのですが、ご依頼者様自身も事態を真摯に受け止め、会社自体の体制を変えたりと是正を図っているそうです。
そうすることによって過去と現在の違いが出ますので、仮に今後悪意あるカキコミがあったとしても、その是正が認められればたとえ今後同様の案件で提訴した場合に有利に持っていくことができるばかりか、信頼できる企業として成長することができるでしょう。

過去の悪意あるカキコミはどうなる?

インターネットにカキコミをするということは、そのカキコミに対して最後まで責任を負わなければいけません。
ほとんどの方は、口コミサイトなどにカキコミをしてそのままだと思いますが、その内容が現在と違っていたり法律に抵触する内容であれば、いつでも訴えられる可能性があるという認識をしなければいけません。

このように、ビクビクしながら生活をするくらいであれば、「悪意あるカキコミだったな」と思われるのであれば、1日でも早く削除することをオススメします
また、カキコミを削除したとしても、古いものはとくに一定期間キャッシュが残っている可能性はありますので、検索サイトなどのキャッシュ削除などもしたほうがよいです。

ただすでに書き込まれた側は、スクリーンショット等で記録を残している可能性は低くありません。
このような場合でも、「すでに消されたカキコミ」ということで、慰謝料請求額は下がることもあります。

1日でも早く悪意あるものは削除されることが得策です。

悪意あるカキコミに関するご相談が増えています

2020年に入って国会でも議論されている悪意あるカキコミ。
発信者情報開示の手続き緩和など進められている中、このような相談は増え続けています。
弊社では、悪意あるカキコミに強い弁護士のご紹介から対策などのサポートも行っております。
心無い行為を見て見ぬふりをせず、もし経営悪化など結びつくものであれば、インターネットという公の場に発信されている以上、発信者はそれなりの責任を果たさなくてはいけません。

口コミサイトはもちろん、SNS等で悪意あるカキコミをされている方はお気軽にご相談くださいね。

なお、発信者情報開示はご自身でできますが、弊社では非弁行為に抵触しますので行えません。